子どもが場面緘黙!親御さんが出来ること3つを紹介します!気づいてくれただけでも本当に有り難い・・・毎日お疲れ様です。
場面緘黙児の親御さんに向けての記事です。
自分の子どもが「場面緘黙」で苦しんでいる姿を見たとき、
親としては、「何とかしてあげたい!」と思いますよね。
でも、
場面緘黙なんて今まで聞いたこと無かったし、どうしてあげればいいのか全く分からない・・・
関係する本を読んでみたけど、いまいちやり方がわからない、時間もないし、難しそう・・・
そんな方のために、今回は元当事者、そして子を持つ親としての立場から、
「場面緘黙児の親御さんが出来ること」を紹介したいと思います。
あまり肩肘を張らずに見て頂けたら幸いです。
親が出来ることは、場面緘黙を治す事ではない
まず前提として頭に入れておいて欲しいことは、
親は子どもの場面緘黙を治すことは出来ないということです。
どういう事かというと、
場面緘黙を治すのは、親でも先生でも医者でもありません。
話せるようになる特効薬や、魔法なんて物もありません。
克服は、本人の力でしか出来ないのです。
では、親の出来ることは何か。
それは、本人が自力で場面緘黙を治すための「手助け」をしてあげること、です。
これがとても重要です。
親は「場面緘黙を治してあげる」という気持ちではなく、
あくまで、「場面緘黙を治す手伝いをする」、
補佐的な位置にいるという気持ちを持つことが大切です。
ぜひ、子どもの力を信じて、手助けをしてあげてください。
親が出来る手助けとは
では、実際に「親が出来る手助け」とはどんな物があるのか。
3つほど書きましたので、参考にしてみて下さい。
※本格的に克服に乗り出す際に必要となってくるのは「スモールステップ」という方法ですが、今回の話は、そのスモールステップに進む前段階の話になります。
①環境を整える
子どもの環境を整えてあげるというのは、
例えば
・先生やクラスの子達に、子どもが「場面緘黙である」ということを伝える
・必要に応じて「特別支援教室」や「療育」といったものも視野に入れる
・子どもが安心して過ごせる場所に行く
などです。
この辺りは子どもは自分では出来ませんからね。
あとは、子どもだけではなく、親のメンタルの環境を整えることも大切です。
以前SNS上で、
「辛いのは子どもなんだから、私が頑張らないと」
とおっしゃっていた当事者のお母様がいらっしゃいました。
常に前を向き、必死に頑張ろうと、自分を鼓舞していらっしゃった方です。
しかし私は思うのです。
確かに当事者であるお子さんが辛いのはわかります。
しかし、「自分の子が場面緘黙で悩んでいる」ことに気づいてくれた優しい親御さんが、自分の子どもが苦しんでいる姿を見て苦しまないはずが無いのです。
親御さんだって辛いから、子どものために出来ることを必死に探して、このページを探し当ててくれたはずです。
だから、どうか、
お子さんを思いやるのと同じくらい、ご自身の体や心も大切にしてください。
ずっと子どもの側にいなくてもいいんです。
自分が楽しいことをしたりリラックスしたりして、心を整える時間を取って下さい。
自分が休める環境を作って頂きたいのです。
親御さんの心にゆとりがある方が、お子さんにとっても良い影響になるはずです。
②苦手なことは誰にでもあることを教える
場面緘黙は「不安障害」の一種なので、「苦手な事」の一言だけでは済まされないのですが、
お子さんが小さい時には、この考え方は有効です。
「数ある苦手なものの内の一つ」という考え方をした方が、
本人や親、周りの子たちにとっても良いと思います。
単純でわかりやすいほうが、理解しやすいからです(小さい内ならなおさら)
誰だって苦手なことの一つや二つ、あります。
場面緘黙の子たちは、たまたま「話す事が苦手」だっただけのことなのです。
「泳ぐのが大の苦手」
「高いことことが大の苦手」
「話すのが大の苦手」
ここと同列なのです。
「苦手なことは人それぞれ違う。」
「たまたま人と話すことが苦手なだけで、自分だけに苦手がある訳じゃない。」
これらのことを、本人に伝えてあげてほしいのです。
話せないことは、決して恥ずかしいことではありません。
人間は苦手な事があって当たり前。
苦手なことがあることは恥ずかしいことではない。駄目なことではない。
それを教えてあげることが、親御さんが出来る手助けだと思います。
私は「自分だけが出来ない」「恥ずかしい」という気持ちを持ち続けてしまったため、劣等感や自己否定の感覚を身につけ、生きにくい性格へとなってしまいました
子どもも親も、「話す事が苦手な自分(子ども)」を、自分で認めることが大切です。
③子どもの自尊心・自己肯定感を下げない
自尊心とは、自分の弱さを認め、ありのままの自分を好きになる心です。
「話す事が苦手だけど、苦手なことは人それぞれ違うし、苦手なことがあってもいいんだ。」
と思える心ですね。
(自尊心と自己肯定感は、厳密には違いがあるようですが、当ブログでは同じ意味として書いています)
場面緘黙で一番やっかいなことは、自尊心の低下です。
自尊心が低下すると、
場面緘黙が治り話せるようになったとしても、生きづらさを抱えたまま大人になってしまい、最終的には鬱になってしまう可能性もあります。
私がまさにそうでした。
親が出来ることの中で1番大切なことが、
この「子どもの自尊心を下げない」ことだと言っても過言ではありません。
どうか、話せないことを咎めずに、
子どもの良いところを沢山褒めてあげて下さい。
こんなにも良いところがあるということを、本人に知ってもらって下さい。
自分の良いところって、なかなか自分では気づけません。
しかし親に「あなたはこんなことろが素敵だね」と言ってもらえたら、それはとても嬉しい。
「私は話すことは苦手だけど、こういう良いところがあるんだ」と子どもが前向きに考える事が出来たら、万々歳です。
自尊心は、本人が場面緘黙を克服する際に、大きな力になってくれます。
親御さんは是非、自尊心を味方につけてあげる手助けをしてあげてください。
親は気づいてくれただけでありがたい
色々書いてきましたが、元当事者から一つだけ言わせて頂きます。
「場面緘黙に気づいてくれて、本当にありがとう!」
SNS上には、親や先生、周りの子達に理解してもらうことが出来ず、辛い緘黙時代を過ごしてきた当事者の方がたくさんいます。
私もその1人です。
だからこそ思います。
親が味方になってくれるということは、その子にとって、どんなに心強いことだろう、と。
本当に、「気づいてくれてありがとう」と言いたいです。
真面目で優しい親御さんは、
「私は親としてここに書いてあること何もしてあげられない」とか、
「親の出来ることはまだ何かあるんじゃないか」とか思ってしまいがちですが、
もう本当に、究極の所、「子どもが場面緘黙だ」と言うことを知ってくれただけで、
このブログのタイトル「親御さんが出来ること」を達成してると思ってます私は。
それくらい、場面緘黙は理解されにくい症状なんです。
親が理解してくれる。
それだけで子どもにとっては大きな力になります。
だから「気づいてくれてありがとう」です。
そしてもう一言、
「毎日子育て、お疲れ様です!」
場面緘黙の子どもは、繊細な心を持つ子が多いです。
こちらが何の気なしに言った言葉でも、深く読み取り、傷ついてしまう子もいることでしょう。
そういった意味では、育てるのが大変だと思います。
私は、自分の子ども時代を自分が育てることを想像したら、
「自分の事ながら、なんて傷つきやすくて面倒くさくて、育てにくい子なんだ・・・」と思ってしまいますね(笑)
「育てにくいから悪い」なんてことは一つもありませんが。
育児は、人を一人育て上げるという、ただでさえ大変な仕事です。
たまには愚痴の一つでもこぼしながら、気長に、気軽に手助けしてあげて下さい。
大丈夫です。
あなたのお子さんは大丈夫です。
なんの根拠も無いですが、大丈夫です。
お子さんの味方は「あなた」です。
そして私は「あなた」の味方です。
一緒に育児、頑張りましょうね!
あわせて是非
オススメの本です。
読みやすく、スモールステップについても細かく書かれています。
親子で読むには最適と思いますので、是非参考にしてみて下さい。
どうして声が出ないの? | ||||
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