raise me up

~場面緘黙(ばめんかんもく)の経験と克服の記録~

好きな事が場面緘黙を凌駕した瞬間!克服のキッカケになった「好き」という気持ち

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先生「今日は劇をやりましょう」
「こんにちはー」「こんにちはー」「・・・・・・・」
「・・・・・・」
(楽しそう!!!!!)
「こんにちはーーーーー!!!!」!!!???」
 
 

 

3歳で通っていた幼児教室

私は3歳からの記憶があるのですが、その頃にはもう場面緘黙でした。
原因はわかりません。
物心ついたときから外で話すことが出来ませんでした。
 

原因についての詳しい記事も併せてご覧下さい 

www.raisemeup.work

 

 

当時、とある「幼児教室」に通っていました。
ショッピングモールの中に設置されていた小さな教室で、
女性の先生が1人、生徒は私の他に2人(同い年の男の子と女の子)の3人です。
 
「幼児教室」といっても、お勉強をする訳ではなく、
遊びの中から数字や文字を覚えていこうという雰囲気で、
そこまで窮屈なものではありませんでした。
 
教室に入る前までは母と楽しく会話が出来ていたのですが、
教室に入り、母と離れた途端、一言も喋れなくなり、口を閉ざしてしまいました。
 
毎週毎週一言も喋らず、
厳しい表情で言われたとおりの行動をするだけで、
正直楽しいと思ったことはありませんでした。
 
しかしある日、
 
 

初めて外で味わった『楽しい』という感覚!

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その日は、紙でできた人形劇のようなものをすることになりました。
「私の場合」なのですが、
何かを演じるということにすごく興味を持ったのです。
 
今まで何で遊んでも、のどが詰まって話せなくなる感じが、
人形劇をしている間だけは、
家にいるときのような自然体で遊ぶことができました。
 
まだ帰りたくない、もっと遊びたいと、初めて思ったほど、
『楽しかった』
という記憶として残っています。
 
家以外で「楽しい」という感覚を味わったのは、この時が初めてでした。
 
結局、人形劇で遊んだのはこの一回のみで、
次からはまた、元の緘黙状態に戻ってしまいましたが・・・。
 
しかし、「人形劇楽しい」という感覚は、成長しても私の根底に残っており、
のちに『声優になりたい』という夢に変わり、
高校のときには演劇部に入部し、大勢の人の前で演じる、という経験もしています。
 
私にとって「演じる」という行為は、とても楽しいもので、好きなことだったのです。
 
 

まとめ

人形劇を使って遊んでいたあの時。
『楽しい!』という気持ちが、初めて場面緘黙を凌駕した瞬間でした。
 
(こういうイメージ)

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場面緘黙克服の一つとして、『自分が好きなことを見つける』ということは、たいへん重要なことです。
 
場面緘黙ではないけど、おしゃべりは少し苦手・・・という方でも、
「好きのものに関しては熱く語れる!」という方もたくさんいます。
 
何気ない会話より、自分の興味のある分野の方が、
話す事への抵抗が減ります。
私の場合は『演劇』でした。
 
好きなこと、というのは人それぞれ、違います。
「演奏」かもしれない。
「絵を描くこと」かもしれない。
「運動」かもしれない。
「アニメや漫画」かもしれない。
「アイドル」、かもしれない・・・。
 
自分の好きなものとは何か。
何に対して楽しく感じるのか・・・。
 
私が幼くして見つけることができたことは、とても幸運なことです。
 
 

最後に

人形劇で話す事が出来たのは、
3歳という年齢も良かったのだと思います。
 
幼ければ幼いほど、
「今まで話していなかったのに、ここで急に話し出したら恥ずかしい」
という感情が生まれにくいからです。
 
私も、あの時は頭の中が「楽しい」で埋め尽くされていて、
「不安」や「恥ずかしい」といった感情は全くありませんでした。
 
しかし、年齢が大きくなっていても、
「好き」であるという気持ちを持つことは、きっと場面緘黙の克服に繋がります。
 
あと、
少人数だったのも良かった点だと思います。
 
教室には私を含め、3人の子どもと先生しかいませんでした。
幼稚園や学校と比べても、明らかに少人数です。
 
それぞれのきっかけを思い返してみても、
全て少人数の空間での出来事でした。
少なからず、影響しているようにも思います。