場面緘黙を気にしない?!克服するための安心感を与えてくれた先生との出会い
5歳ピアノ教室にて
ピアノの先生は、とにかく明るく、いつもニコニコしていた。
「みんなおはよーーー!!」
「おはよーございまーす」
「この音は何でしょう!じゃぁなっちゃん!」
「・・・・・・・・・・ド(ボソッ)」
「せーかーーーい!!!!」
「じゃぁこの音は何でしょう!○○くん!」
「ファー」
「せーかーーーい!!!!」
私が喋ろうが喋るまいが関係無い態度の先生に、
私は安心感を覚えた。
一対一の教室に変更してからは、まるで家で話すのと同じ位話せていた。
「せんせー!おはよー!」
「なっちゃん!おはよー!」
5歳から習い始めたピアノ教室
私は5歳から中学2年生までピアノを習っていました。
私自身、ピアノには興味が無く、家で練習を全くせずに通っていました。
おかげで今でもピアノはあまり弾けません。
そんな私が、どうして9年間も通っていたかというと、
『ピアノの先生が好きだったから』
これに尽きます。
初めてのピアノ教室は、幼稚園の音楽室で行われました。
生徒は6人。
小さなオルガンの前に座り、
先生とお遊びをしながら、ピアノに触れることを目的とした教室です。
周りの子達は、おしゃべりをしたりオルガンを弾いたりと、
楽しそうに過ごしています。
一方私はというと、場面緘黙の影響で話すことも出来ず、
ひとりポツンと、オルガンをひたすら見つめるだけの時間を過ごしていました。
先生の人柄に覚えた「安心感」
そんな中、ものすごく元気よく教室に入ってきた女性がいました。
ピアノの先生・M先生です。
M先生はとにかく明るい人でした。
私が話さない事なんて何の気にも留めていない。
話さなくても困った顔一つせず、いつも笑顔。
そしてとにかく平等。私にも他の子にも全く態度を変えず接してくれる。
私がM先生に対して感じた感情は「安心」です。
この人は私が話そうが話すまいが関係無く、とにかくおもしろくて楽しそう。
いつでも笑顔で、怒っているところを見たことが無い。
M先生と一緒にいるのが・・・楽しい!
本物の「コミュニケーション能力が高い人間」というのは、
こういう人のことを言うのだと実感しました。
小学生に上がると同時に、一対一の個別授業になりましたが、
この時には、家にいるときと同じ態度でM先生と話す事が出来ました。
場面緘黙の症状はまったく表れなくなっていたのです。
私が初めて家以外で継続的に話せるようになったのは、幼稚園でも小学校でもなく、
M先生の居るピアノ教室でした。
まとめ
M先生の良かった点は
・話す話さない関係なく接してくれる
・他人と私とで態度を変えない
・いつでも笑顔(感情の起伏が少ない)
とても素晴らしい対応です。
M先生は素でこの態度を取っていたのだと思いますが、
場面緘黙の子に対してこのような態度を取れる方は、そうそういらっしゃるものではないのではないでしょうか。
ひとえに、M先生の明るさと、高いコミュニケーション能力のたまものです。
M先生のおかげで、私は他人に対して安心感を得ることが出来、
外で話せる基盤を作ってもらいました。
私がM先生に巡り会えたことは、とても幸運なことです。
最後に
場面緘黙の克服の中で、「安心」はもっとも重要だと言っても過言ではないでしょう。
それを、他人に感じることが出来たことは、
確実に大きな影響を与えました。
他人に安心を感じることは、とても難しいことです。
子供の頃、私の周りには沢山の大人がいましたが、
これほど安心出来た人物は、母とM先生くらいしかいません。
加えて、
前回の記事記事で、
・「好き」という気持ち
・少人数であること
が大切だと書きましたが、
今回も当てはまります。
○ピアノに興味がないのに、M先生が好きで通い続けた
○6人の生徒(少人数制)→その後先生と一対一の個別授業へと変更
○M先生に安心感を覚えた
「好き」「安心」「少人数」
私が場面緘黙を克服したきっかけは、この辺りの影響が大きかったように思います。